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The Gurdjieff Society Japan Tokyo Group- affiliated to the Gurdjieff Society London

グループリーダー、ジェフリー・サマーズ氏へのインタビュー

Q: グルジェフ氏とはどんな人ですか?

A:グルジェフ氏は、秘伝の奥義に達した「師」であり、今の時代でも実践できる教えをもたらしました。1866年にロシアとトルコ国境の近くに生まれ、1949年にパリで亡くなりました。 グルジェフは「師」でした。「師」という考え方は、東洋では馴染み深いものです。「師」には「知識の化身」という意味合いがあります。秘伝の教えに関する知識の場合には、「他の人たちを目覚めさせることができる人」という意味合いがあります。


Q: グルジェフは何を教えたのですか?

A:はじめに言っておく必要がありますが、グルジェフ氏の教えはまったくもって宗教ではないし、彼は「御本尊(信仰の対象)」ではありません。グルジェフ氏がもたらした教えは、極めて実用的な教えです。

彼は人々に、こう呼びかけているのです。
眠りから覚めなさい、
いつまでも回り続ける白昼夢という牢獄から脱出しなさい、
そして別のレベルの注意力を発見してそれを伸ばしなさい、と。

グルジェフ氏は、「目を開けなさい」と私たちに呼びかけたのです。
「自分はどうしてここにいるのか?」
「自分は何を望んでいるのか?」
「自分はどんな力に従っているのか?」
と問いかけているのです。
自分の内面が貧しい状態にある、ということに私たちが気づくまで、そう長くはかからないでしょう。

グルジェフの教えは、よく「ワーク」と呼ばれます。
ワークの一番最初の段階では、存在(プレゼンス presence)について学びます。そして、存在の相対的ないくつものレベルについて学び、段々とその存在に対して開いていくのです。
この知識は、本で説明できる範囲を超えています。経験に浸ることによって学ぶのです。 グルジェフは、自己知識と生命の知識を経験する、ということを伝授するメソッドを、再び発見したのです。


Q: グルジェフは故人ですが、彼が教えたことを習ったり実践したりすることは、今でもまだ可能ですか?

A:これは大事な質問です。答えは間違いなく「イエス」です。でも大切なのは、グルジェフ本人から直接伝わる経路にいる人、しかもかなり経験を積んだ人から学んでいるのかどうか、ということを確かめることです。 グルジェフは亡くなる寸前、彼と共に30年間ワークしてきた女性に彼の教えを託しました。彼女の名は、ジャンヌ・ド・ザルツマン。彼女の周囲には、グルジェフと共にワークをしてきた多くの人たちがいました。ド・ザルツマン夫人もすでに故人ですが、グルジェフと共にワークをしたその他の多くの人たちが今なお生きていて、教えているんです。彼らは、世界各地で小さなグループを育ててきており、彼らはグルジェフの教えの真正な形式を後世に伝える、という責任を負っています。今では三世代目の教師たちがいるのです。


Q:今、グルジェフが示した道の教師はたくさんいるのですか?

A:たくさんいます。けれども、たくさん、というのは相対的な言い回しですね。たぶん、世界全体で200人くらいではないでしょうか。


Q:この道の教師だと主張している人がその通りの人なのかどうか確かめる方法は何かありますか?

A:これも大事な質問ですね。私は「教師」という言い回しを使ってきましたが、むしろ「グループリーダー」と言った方がもっと正確でしょう。グループリーダーだと認められている人は、この自己知識の道を追求しようとしている周りの人々よりも経験を積んでいます。山に登ろうと望むようなものですよ。登山する時は、登山経験の豊富なガイドに助けてもらいますよね。残念ながら、この経験を持たないのにグループリーダーを自称する人たちもいます。


Q:あなたはグループリーダーですか?

A:昔から、自分自身の弁明をするというのはいささか無礼なことではありますが、私は55年以上ワークを続けていて、トラコル氏によってグループリーダーに任命されました。そのトラコル氏自身は、グルジェフ氏によってグループリーダーに任命されました。


Q:グルジェフ氏は、「ムーブメンツ」というダンス体系を教えたと聞きましたが?

A:その通りです。彼がもたらした教えの一部は、人間の調和的な発達に役立つ神聖舞踊という形を取っています。 グルジェフ氏は、人間が複数の部分で成り立っていると教えました。彼は「センター」と呼ぶいくつかの部分について説明しました。これらは思考センター、感情センター、動作センター、本能センター、性センターです。それらのセンターはバランスが取れていない、ほとんどの人々においてそれらのバランスは取れていないのだ、とグルジェフ氏は言いました。つまり、グルジェフ・ワークとは自分の複数のセンターを調和させる方法である、と言い表すこともできますね。ムーブメンツは、この発達を助けるために用いられる訓練方法の一つです。


Q:グルジェフ氏の教えが日本人の関心を集めるかもしれない、というのはどうしてですか?

A:彼の教えは、いつでもごく少数の人たちのためにあるでしょう。というのも、彼の教えは安易な道ではないからです。日本の人たちは現代世界に属していて、西洋の環境とほぼ同じ現代的な環境で働いています。
現在、ほとんどの人たちは修道僧や尼僧になりたいとは望みません。これは、たぶんいつの時代でも難しかったのでしょうが、どうも今の時代ではもっと難しいのです。グルジェフは、現代生活の環境でも実行できる教えをもたらしました。
また私が思うに、もし人が霊的な成長という願いを持っているのなら、その人がイギリス人であろうと、スペイン人、アメリカ人、あるいは日本人であろうと関係ありません。



<グルジェフに関する引用文>

グルジェフは、最も身近で、最も根拠があり、最も完全に代表的な、現代の大人物だ。
―――ピーター・ブルック


グルジェフの最も献身的な弟子たちのレベルはとても高い。この活動を学ぶために、知的な堂々巡りをする必要はないだろう。
―――J・B・プリーストリー


ゲオルギアノヴィチ(グルジェフ)は、単に独創的な哲学者であるばかりではなく、偉大な芸術家だった。私はよく彼の音楽を聴いている。それは別の世界から来たものだ。
―――フランク・ロイド・ライト

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